ャストインタビュー

和氣あず未 上村祐翔 久保田梨沙 小市眞琴
――初に作品を読まれた際にどのような感想を持たれましたか?
上村 異世界ものなんですが、ダークファンタジーといいますか、主人公の四谷があまり主人公然としてない。闇の部分が前面に押し出されていて、割と共感しえない感じです。でも、それが1周回って可愛いと言いますか。彼の持っている魅力があって、そこに惹きつけられます。一味も二味も違う作品だと四谷を通じて感じました。ただの嫌な奴ではなくて過去にいろいろあった中で、それを理解して今の自分が成り立っている。そういったことを踏まえて、彼の異世界での姿勢、まじめさだったり、律義さも持っていて、人間味もあるキャラクターなんだと思います。

久保田 オーディションが決まって、すぐに1巻を読み始めたんですが全然理解できなくて、1回閉じました(笑)。自分の思い描いていた異世界と違って、もっと街並みがにぎわっていたり、二足歩行の虎がしゃべったりそういうものかと思っていたんですが、戦争とか、宗教とか、重いテーマが描かれていて。私たちの世界でも同じようなことは起きるので、リアリティのある異世界だと思いました。読み進めると世界史を学んでいるような感覚を覚えて、そこから楽しんで読めるようになりました。カハベルさんが登場するくらいから印象が変わって、人の力で成り立っている世界なんだなと思いました。

和氣 異世界というとキラキラした魔法の世界という印象が強かったんですが、ダークでシリアスで、緊迫感のある場面が多いと感じたのと、これまで私が関わってきた異世界作品は、主人公が死んで異世界に転生するものが多かったんですが、この作品は異世界と現実世界を行き来していたりとか、自分のパーティが全滅したらゲームオーバーというゲームの世界にいるような作品だと感じました。シリアスな部分も多いのですが、たまに見せるコメディの部分を時舘さんとかが補ってくれて、より面白さを感じるようになりました。

小市 パーティが全滅しない限り死なないけど、全滅したら全員死ぬという絶妙に危ない橋を渡っているルール。でも一度死んだだけではゲームオーバーにならない部分の軽さと重さのバランスがすごいなと。この仕組みを私はこれまで見たことなかったので、そこの部分に面白さを感じました。それと主人公の四谷君の性格の癖が強くて……。これまで読んできた作品と主人公像が違うといいますか、合理的に人の順位も考えて行動することも珍しいと思って。しかもそれが少年漫画という点もこの作品の魅力なのだと思います。
――じていらっしゃるキャラクターの印象は?
上村 四谷は、合理的な視点を常に持っているキャラクターです。システム的に死んだからといって終わるわけではないと理解していても、普通は仲間を助けるところをあえて見捨てるという部分が、清々しいまでに振り切れています。その世界にいるのにどこか俯瞰して見ていることが彼の正義なんだと思います。そこのブレない強さは四谷にしかないものなのだという印象です。

久保田 新堂をキャラ絵で見たときは活発そうなギャルだと思いました。読み進めると、勉強もスポーツもできて、友達もたくさんいる、常にみんなの真ん中にいる完ぺきな女の子という印象でした。それが、壮絶な過去が明かされると、周りにいるよくない大人を見て、そうならないように努力して、今いる場所を勝ち取ったものだと分かりました。芯が強くて、誰よりも生き残ってクリアしたいという想いも強いですし、カッコいい女の子だと思います。

和氣 最初の印象はキャラ絵のままで、体も心も弱い女の子で、パーティの中では足を引っ張る子なのかなと思っていました。でもそんな自分が嫌だと箱崎は思っていて、現実世界では運動もできないくらい体が弱くて、その体で異世界に行ってしまって、(新堂)衣宇ちゃんに助けてもらうことも多いんですが、どんどんパーティが増えていって、彼女自身も変わりたいと強く思っていて、異世界であっても小さい子供が襲われていたら、助けたいと思うほどに強くなったので、精神面では一番成長しているキャラクターだと思います。

小市 時舘は、最初ヒロインのひとりだと思っていたんですが、ぜんぜんヒロイン感はありませんでした(笑)。面白いキャラクターだなということはすごく感じていて、四谷君ほどじゃないですが、あまり彼女も性格がよくなくて、どうしたらみんなに愛されるキャラクターになるか考えながら演じていました。シリアス担当ではなく、明るく場を盛り立てる役回りですよね。
――じてみての感想はいかがですか?
上村 演じるのはとても楽しくて、ダークでシリアスな部分も多いんですが、コミカルな部分もある振り幅が大きいキャラクターでした。いろいろな表情を見せてくれるので、演じがいがあります。アフレコはほぼフルカラーでできたので、表情もわかり易いですし、気持ちもスムーズに持っていけました。ただ、画ができているので、そこにあまり引きずられないようにしようと音響監督と相談していて、演じやすい分、振り切るところは振り切って演じたいと思っています。四谷君はスタッフにも愛されていて、一部線画で演じている時には、「四谷はそんなに良い奴じゃないから」というディレクションがあったり(笑)。すごい表情をしている時には、思い切った演技をしたりといろいろ準備をして、何が正解か咀嚼する時間がとても楽しいです。

久保田 新堂は四谷君や時舘さんと違って、コミカルな演技はあまりなくて、自分がしっかりしないといけないと思っているので、重くなり過ぎないように注意しています。演じていて難しいと思ったのは、他人との接し方が人によって違う部分で、男の子にはキツめで、ちょっと先輩だったりすると体育会系になったり、新鮮だったのは「あざっす」ですね。言ったことがなかったので。いい意味で人に合わせているので、敵を作らないんだなと思っています。

和氣 特に癖が強いキャラクターでもないので、難しいと思うところはあまりありません。私もハイかローでいえばローで、箱崎さんと一緒なので、演じていて悩む部分はありませんでした。衣宇ちゃんとは反対に、接し方は誰に対しても一緒で、基本みんなにやさしいんですが、四谷君に対しては時々キツいこともあります。箱崎自身、四谷君に対して呆れていることもあると思うんですが見捨ててはいない感じで、素直で正義感の強いキャラクターだと思って演じていました。勇ましいセリフの中にも焦りや緊張感、自信の無さを詰めて、まだ成長していない感じを意識しました。

小市 演じていて楽しい子で、原作にないシーンも時舘は多くて、より「こんなキャラなんだ」ということが分かりやすくなっていると感じています。時舘は最初みんなに敬語で接しているんですが、打ち解けてくると言葉遣いも乱暴になるのが演じていて楽しかったですね。言葉遣いの変化で相手との距離がわかるといいますか、四谷君に悪態をつくことも多いんですが、ゲーム好きという共通点もあって、ふたりの掛け合いで、四谷君も時舘も魅力的に描かれているんだなと思います。
――フレコ時の面白いエピソードなどあれば。
上村 小市さんが、時舘がOFFになるとすかさずアドリブを入れてくるんですよ。それがツボで。ちゃんとオタクっぽいというか時舘らしいんです。僕もそれに負けないように、アドリブを入れるところを探すべく、粗探しするようにアフレコ用映像をチェックしています。

久保田 ある声優さんがモンスターの役をやられていた時に、まだテストで、誰がどのマイクに入るか決まってなくて、ものすごい奇声を発しているモンスターをやりながらこのマイクにと促されたのが印象に残っています(笑)。

和氣 サブキャラのキャストが豪華で、掛け声が“プロ”っていう感じです。何千回も戦ってきたような歴戦の悪役という感じでした。ものすごい圧を感じます。その声を聴いているだけでも面白い収録です。それとアフレコ終わりにみんなでカレーを食べたり楽しかったので、またごはんに行きたいです。

小市 四谷君の表情がどんどん悪魔みたいになっていって、世界を征服しそうだったり、やたら影が入ったり、それが面白いですね。

上村 「魔王」って書いてあるところあったからね。それと思い出だと、最初のアフレコでどらやきをもらったんですが、それに作品のロゴが印刷してあって。それと小市さん誕生日のときには、キャラのイラストがプリントされた小さいカップケーキをいただいり。実はそこで初めてキービジュアルを見ました(笑)。あとバレンタインの時にはゲムマスターのチロルチョコ。そういうものをスタッフさんがいろいろ作ってくださった。そういうちょっとしたことがうれしいですね。

小市 スタッフさんとの距離が近くて、和気あいあいと収録しています。お話は殺伐としているんですけどね(笑)。
――世界に行くとしたら、どんな職業をやりたいですか?
小市 私、召喚士になりたいです。

和氣 ゲームをプレイするときは剣士なんですが、自分が異世界に行くなら魔法使いですね。光魔法を使いたいです。光か闇かでいつも迷うんですが。雷も使いたいんですよ。ピカピカしたい!

小市 カッコよさでいえば光か闇だよね。

上村 剣道部だったので剣ですかね? やってみたいというのはありますね。直接打撃したこととかはほぼないので、カハベルさんみたいな感じはいいですね。生きている肉を切りたい(笑)。

久保田 私は弓矢。もっと離れていいなら鍛冶屋。4人の中で最弱だから。

小市 せっかく異世界に行くんだから、普段できないことをやってみたくない? 

久保田 なんだろう。向こうでしかできないこと……。

上村 新堂は風魔法使うけど、ああいうの憧れたりする?

久保田 魔法って便利ですよね。新堂ってレベル上がったら飛べたりするのかな? 飛べたら最高ですね。
――滅しない限り死なないルールですが、みなさんが異世界に飛ばされたら、合理的に仲間を見捨てることができますか?
上村 回復役がいるなら見捨ててもいいんですが、でも仲間を見捨てる前に、自分が犠牲になるかな。

小市 痛みを感じないなら自分が犠牲になってもいいかな。

和氣 私は無理です。

小市 痛みを感じるなら嫌だなぁ。

和氣 いくら回復できても痛みを感じるなら嫌だなぁ。それにひとり死んだらパニックなりますよね。効率を考えるまで頭が回らないと思います。とにかく助けなきゃとなっゃうと思います。

久保田 最初から信頼できるメンバーならいいですが、裏切りそうな人なら考えちゃうもしれません。

和氣 オンラインゲームで4人パーティのうち3人死んだら、私も死にます。仲間を見捨るというよりも道連れにしちゃうし、道連れにされたいタイプです。
――作の見どころは?
小市 パーティが全滅しない限り死なないルールの中で、たとえゲーム的な世界であっても人が死ぬのは見たくないという人と、ルールはルールだからと割り切っている人の感情の対立が面白いですね。キャラ的には、原作にはないアドリブもそうですが、オタク強めに演じている部分もあるので、オタクの人に共感してもらえたらうれしいなと思います。

和氣 少年漫画の主人公らしからぬ四谷君を、観ているみなさんがどう感じるのか気になっています。私は、四谷君の視点でもなく、隣にいる視点でもなく、遠くから見ている感じだと、可愛いですね。何て素直じゃないんだろうって。いろんな視点で観ればいろいろな面白さが出てくる作品だと思うので、彼の行動は見どころですね。

久保田 四谷君の人間力ですね。最初誰にも好かれていない状態からスタートして、異世界でミッションを攻略していくなかで、あまりいい選択肢を選ばないけど、それでも頼れる感じになっていっているんですが、それは周りの評価が変わっただけで、四谷君はなにも変わっていないんじゃないか。悪魔にも頼れるリーダーにもなれる可能性を秘めているので、全話通して四谷君がどうなるのかを見届けてほしいです。

上村 レベルが上がるとルーレットで職業が変るんですが、見た目はもちろん、使える武器も変わってくるので、そういうところのゲーム性は演じていて面白いですね。四谷は最初農民からスタートしてレベルが上がると別の職業にジョブチェンジするんですが、前の職業の視点もあって、なるほどこういう選択肢があるのかと分析しながら戦っていけるのは結構楽しいですね。それは四谷だけじゃなくてほかのメンバーもそうなので、どういう作用をもたらしていくのかというところが見どころですね。それと4人で行動するときと、別行動するときと、単独行動をするときでそれぞれの人間性がみえるので、違う角度から観ていただきながら、それぞれのキャラに感情移入していただければ。それぞれに背景が見えてくると、理不尽にも異世界に飛ばされてしまうという現象と現実世界の対比が面白いところかなと思います。
――送に向けてひとことお願いします。
上村 『100万の命の上に俺は立っている』というタイトルからどんな作品かと思われると思うんですが、クエストを何度もクリアして、すべてのクリアを目指し、何度も異世界と現実世界を行き来しますので、いろんな視点で、現実世界を楽しんでいただいてもいいですし、異世界での差を楽しんでいただいてもいいと思います。いろいろな違和感があると思うんです。四谷に対して、何か引っかかる感じを出せたらと思って演じています。何か気になる四谷君、何か惹かれる四谷君をみなさんと一緒に作っていけたらと思っています。

久保田 オリジナルの地名が多くて、発音するのが難しいんですが、みんなで頑張っています。いろいろな専門用語も多いので、先に原作を読まれることをおススメします!

和氣 絵ができている状態でアフレコさせていただいたので、より完成度の高い演技ができているのではないかと思っています。映像が完成するのが待ち遠しいです。1話を観たところで、「これまでの作品と違う」と思われる方もいると思うんですが、3話までは観てください! 3話まで見れば、最後まで見続けなければならない体になると思います。一番うれしいのは全部見ていただくことですが、とりあえず見ていただけたら嬉しいです。

小市 回を重ねるごとに面白くなっていく作品です。パーティの人数が増えていくとさらに面白くなっていきます。考えの幅も広がりますし。それとクエストがどんどん難しくなっていくので、最後まで見て楽しんでいただけたらうれしいです。それと、原作にはない要素もいろいろとありますので、そういった違いを楽しんでください。
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